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shinroundのキャリアノート

~大学の知を社会へ~

大学無償化の焦点

大学

先日大学無償化のニュースを目にしました。今は元記事が削除されているので、どこまで検討されているのか分かりませんが、自分なりに大学無償化の導入施策について考えてみたいと思います。 

 

 

 

大学無償化の概念と主な論点

人間には「教育を受ける権利」というものがあり、それは基本的人権の一つとされ、社会権に属しています。そして、憲法第26条で以下のように定められています。

憲法における義務教育の規定(憲法第 26 条第 2 項)

すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

 

教育基本法により、親は子に九年の義務教育を受けさせる義務がありますから、中学校までは全員が等しく無償で教育を受けることが可能です。

しかし、高校以上は義務教育ではなくなり、授業料等が発生します。そのため、経済的な理由で進学ができない人が一定数存在します。この「経済的な理由で進学ができない」という状態を是正するために生まれたのが大学の無償化という概念です。

 

実は海外では、教育の無償化は日本に比べてだいぶ進んでいます。

  • 大学無償化の海外の状況

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(参考:http://www.jcp.or.jp/web_jcp/html/data/oecd34.pdf

 

 この表にある通り、OECD加盟国の中で授業料が有りかつ給付型奨学金制度がない国は日本だけです。給付型奨学金制度はもうすぐ制度化される予定ですが、日本と他の海外の国とは明らかな差があります。

授業料を無償化する理由は、先に挙げた人権上の理由によるところが大きいです。全ての人に等しく教育を受ける権利があり、それが経済的理由により損なわれることはあってはならないという考え方です。

大学無償化の記事は削除されていましたが、給付型奨学金の制度化の後、段階的に大学無償化について検討され始めるのではないかと思います。

 

検討課題

大学無償化の施策について僕が一番注目していることは、「学ぶ意欲がない人の入学を抑え、学ぶ意欲のある人を優先的に進学させる仕組みをどう作り上げるのか」です。

(「大学無償化=全員が大学進学」ということにはなりません。上の表の最上位にあるスウェーデンフィンランドでさえ大学の進学率は70%弱です。しかも大学入学の平均年齢は約28歳。かつ留学生も多いので、純粋なスウェーデン人、フィンランド人の高校卒業後の大学進学率は、この数字の半分以下ではないかと思います。)

今の日本の大学制度だと、無償化によって進学率は確実に上昇するでしょうし、国民の税負担も大きなものになります。そこで、以下のような施策を同時に進める必要があります。

 

具体的方策

本当に学ぶ意欲のある人を大学に進学させる仕組みを作るには、「進級及び卒業要件の厳格化」が必要です。入学の機会は均等にあるべきですが、進学及び卒業は今よりも厳格化すべきでしょう。こうすることにより、モラトリアム的な思考で大学に入学する人を減らし、同時に大学教育の質を確保します。

 

大学無償化と進級及び卒業要件の厳格化により、必要な人に必要な教育を受けさせる仕組みを早期に作るべきだと考えます。