shinroundのキャリアノート

~大学の知を社会へ~

東京工業大学融合理工学系に見る「学際」の未来

今日、用事があって東京工業大学融合理工学系の先生に会ってきました。融合理工学系は最近新設された、いわゆる学際的な学系です。

 

多くの大学で「学際」というキーワードを意識した学部が多く新設されているので、今日は「学際」について考えてみたいと思います。

 

 

「学際」とは

「学際」を辞書で引くと、「二つ以上の科学の境界領域にあること。いくつかの分野にまたがり関連すること。」とあります。

なぜ今この「学際」が注目されているかというと、従来の学問分野の知識だけでは徐々に複雑化している昨今の社会問題を解決することができなくなっており、学問横断的な知識が必要とされているためです。

このような時代の要請の元、最近では多くの大学が文理融合の学部等、学際的な学部を新設しています。

 

「学際」の問題点

一見するととてもいい取り組みのように思えますが、問題点もあります。例えば、専門性が身に付きにくいということです。幅広い知識を身に付けることが学際的な学部の目的ではあるものの、だからといって専門性が身に付かないということもまた問題です。

情報系の学部に所属しておきながら、プログラミングをほとんど習得していないという状態では、そもそも情報系の学部に所属している意味がありません。

 

東工大融合理工学系に見る本来の「学際」

今日訪問した東京工業大学融合理工学系は、学士課程でエンジニアリング全般に共通する広範な分野の学問を学びますが、ここの学系が他大学のそれと違うところは、学生の90%以上が大学院に進むことです。修士課程で専門分野を追求することにより、広範な知識の上に専門性を磨いていきます。更に修士課程に進んだ学生の70%は博士後期課程に進みます。

「学際」を狙いとして新設された学部は、修士課程以上に進むことを前提にしなければ、専門性が身に付かない中途半端な人材を生むことに繋がりかねません。その意味で、東工大融合理工学系は、修士課程で専門性を身に付けることを前提にした、実効性のあるカリキュラムと言えるでしょう。

educ.titech.ac.jp

 

「学際」の未来

 「学際」の上に成り立つ専門性は、新しい学問領域を創造する可能性を秘めています。これまで習得することのなかった知識を携え、複雑な社会問題の解決を目指すことにより、新たな専門分野の確立が期待されています。