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shinroundのキャリアノート

~大学の知を社会へ~

どうか許してほしい。僕の唇はもう、君のものではないんだ。

今週のお題「恋バナ」

 

ごめん。どうか許してほしい。僕の唇はもう、君のものではないんだ。分かってる。わがままだということは僕も分かってる。でももう、しょうがないんだ。

 

 

 

 

君と出会ったのは今から3年前だったね。夏の暑い日だったことを覚えてる。それまで福岡で働いていた僕は、急遽会社の命令で大阪に転勤になったんだ。知らない土地、知らない環境、知らない人達と共に僕は新しい仕事を始めた。

 

 

 

ちょうど仕事にも慣れて来た頃だったかな。仕事に慣れてきた分、心身の疲れが自覚症状として出てきた頃だった。休みもなく馬車馬のように働いていた僕は、どうしようもない眠気や吐き気に襲われ、疲労が蓄積してた。

 

 

 

白状しよう。

 

 

 

あの頃の僕は、誰かに頼りたかったんだ。知らない土地で一人きりはあまりにも寂しい。元来さみしがり屋の僕は、人肌を求めてた。

 

 

 

でもまさか、こんなにも理想的なタイミングで君が現れるなんて予想だにもしなかったんだ。それは信じてほしい。疲れた僕を待っていたかのように、君は突然僕の目の前に現れたんだ。

 

 

 

今でもそうだよね。僕が仕事でひどく疲れているとき。僕が寝不足なとき。僕が出張でホテルに泊まらなければならないとき。君は必ずと言っていいほど、それを察して、僕が連絡をしなくても僕の元に来てくれる。

 

 

 

傍から見たら、僕たちはお互いに都合のいい相手。都合のいい関係だと思われているかもしれない。でも、そんなの関係ねぇ。でもそんなの関係ねぇ。でもそんなの関係ねぇ。。。。。

 

 

 

 

 

ごめん、取り乱してしまった。

 

 

 

白状しよう。

 

 

 

僕のことをこんなにも分かってくれているのは、後にも先にも君だけだ。そして、僕のことをこんなにも求めてくれるのも後にも先にも君だけだろう。

 

 

 

そんな君にとって、今から言うことはあまりにも残酷な話かもしれない。どうか、どうか許してほしい。

 

 

 

 

 

 

もう君とは会いたくない。僕の目の前に二度と現れないでほしい。

 

 

 

 

 

 

白状しよう。

 

 

 

 

 

実は、僕は結婚しているんだ。

 

 

 

 

 

 

 

だから、僕の唇は君のものではないんだ。

 

 

 

 

 

 

白状しよう。

 

 

 

 

 

実は結婚していたこと、君には伝える気はなかった。伝えたところで何も変わらない。君がすぐに去ってくれるはずもないし、妻が君の存在を知ったら僕のことを避けるのは目に見えてる。

 

 

 

 

自分勝手な判断だと思う。ゲスの極みとは本当は僕のためにある言葉なのかもしれない。それでもなお、僕は許してほしいと思ってる。まさにゲスだ。

 

 

 

 

でも僕は、妻に嫌われたくないんだ。そして、君のことが嫌いなんだ。

 

 

 

 

 

 僕は君を欲してなんかいない。君は絶妙なタイミングで僕の元にやってくるが、僕はそれを望んでいないんだ。

 

 

 

 

君は突然やってきて、僕の唇を当然のように奪ってくる。僕の体の内側から僕の細胞を呼び起こし、震え上がらせ、僕の体は次第に熱を帯び始める。しまいには薬に頼らないと元には戻らないんだ。

 

 

 

 

最近妻も僕の変化に気づきつつある。

 

 

 

 

 

もうこれ以上妻に隠し通すことはできない。

 

 

 

 

頼む。別れてほしい。これ以上、僕に構わないでほしい。

 

 

 

 

僕が口唇ヘルペスだなんて、妻には絶対にばれたくないんだ。

 

 

 

 

 

どうか許してほしい。僕の唇はもう、君のものではないんだ。